|
2009年2月4日夜より衛星の機能が正常でない状態が継続しているため、当初計画しておりましたスプライトおよび地球ガンマ線現象の観測には至っておりません。 しかしながら、東北大局(仙台)およびキルナ局(スウェーデン)において、衛星からの電波受信による監視運用を継続しています。特に、工学的にはこれまでに多くの成果が得られております。 地上モデルを用いた検証試験等により不具合の原因究明も進んでおり、得られた知識を今後の教訓として生かしていきたいと考えております。 衛星の状態が回復する可能性はゼロではありません。 衛星の状況に変化がありましたら、本ページにてお知らせいたします。
●2010年5月31日 これまでに成果発表した学術論文等の一覧を整理しました.
●2009年2月20日 「雷神」が撮影した地球夜景の写真を公開します.
この写真は,2月4日に,以下の条件で「雷神」に搭載されている雷撮影用魚眼カメラ(WFC)により撮影したものです.真夜中の東シナ海上空を,高感度の魚眼カメラで捕らえたものです.
画像を横切る黒い帯は,無線によるデータ転送の中断により失われた部分です.写真の色は擬似カラーです.画面の左側には衛星の一部分が写りこんでいます.
地球輪郭の大気光(airglow)が,はっきりとわかります.これは他から照らされているのではなく,大気自身が化学反応により,発光しているものです.
いくつかの都市の街明かりが鮮明に写っています.中国大陸が煌々(こうこう)と輝いています.九州の輪郭がわかります(人口が海岸線沿いに分布しているため).地形との対応は,Google Earth との対比をご覧ください.明らかに海上と思われる部分の明かりは,漁船のいさり火である可能性があります.
月齢9の月に照らされた雲の形がわかります(「ひまわり」画像との比較をご覧ください).
テスト撮影であるため,解像度を落として撮影していました.
撮影に使用したカメラは,WATEC社と共同開発した高感度CCDカメラです.このテスト撮影により,同カメラが軌道上で機能し,大気光(airglow)を含めた地球の夜光を捕らえるのに十分な感度があることが確かめられました.
・撮影時刻
2009/02/04 00:51:39 JST
・撮影時の衛星位置
東経 = 128.972675 (deg),北緯 = 33.397187 (deg)
地表高度 = 667.994 (km)
・カメラ視野角 = 140 (deg)
露光時間 = 2.0 秒
撮影時の画素数 = 329 x 247 (pixels)
●2009年2月20日 東北大学衛星「雷神」の現在の状況について,報道関係者へ説明を行いました.
●2009年2月17日 東北大学衛星「雷神」が一時的に不調であること,および報道関係者への説明を2月20日に行うことをお知らせしました.
●2009年2月5日以降 衛星が正常でない状態が継続しています.
地上に残されている開発モデル(EM)を用いて検証試験を実施し,原因の究明と正常復帰の方法について,全力をあげて検討を続けています.
●2009年2月4日夜(PassID: 090204_14) 衛星が正常でない状態に陥りました. 衛星からの電波は受信できますが,キャリアー波のみで信号変調がなされていません.また,地上からのコマンドにも応答しません.
●2009年2月4日夜(PassID: 090204_13) 衛星からの信号が受信できませんでした. 衛星の見上げ角が小さかったため,電波の受信状況が悪かった可能性も考えられます.
●2009年2月4日昼(PassID: 090204_08) 衛星の諸データよりマストの伸展を確認しました. 諸データは正常の範囲内にあります.
●2009年2月4日昼(PassID: 090204_07) 姿勢安定化と雷電磁波観測のためのマストを伸展させました.
●2009年1月31日,2月1日,2月4日 雷撮影用魚眼カメラ(WFC)2枚,恒星用カメラ(HSS)1枚の試写を行いました.
●2009年1月16日 磁気トルカーを用いた姿勢安定化のための自動制御を開始しました.
1月30日までに,衛星の姿勢運動は,高レート・タンブリング→単軸スピン→低レート・タンブリングへと移行し,この間の姿勢データも正常に記録されました.
以上の姿勢運用結果は,3月12日に仙台で開催される日本航空宇宙学会 北部支部 2009年講演会で講演発表される予定です.
●2009年1月25日 スウェーデンとの共同開発による補助姿勢計測装置(TAMU)の運用を開始しました. 2月4日まで順調に計測データを取得し,その初期解析結果については,3月上旬に NASA Ames Research Center で開催される CANEUS ワークショップにて講演発表される予定です.
●2009年1月25日 予約コマンド(SC)による運用を開始. これにより不可視時間帯においても,あらかじめ指定したタイミングに従って機器の動作制御ができるようになりました.
●2009年1月23日 東北大局よりの衛星オペレーション開始. 衛星は昼間2回,夜中に2回,日本列島の上空を通過します.また3日サイクルで,昼3回・夜3回となります.「雷神」開発・運用チームでは,打上げ直後の第一可視以来,すべての可視において衛星の状態をモニターし,コマンドを送信する運用を続けています.
●2009年1月23日14時32分〜14時41分 打上げ後の第一可視にて衛星からの信号受信に成功しました. テレメトリーデータの諸値は,正常の範囲であることを確認しました.
衛星の愛称を「雷神」(らいじん,RISING)とすることとし,東北大学および種子島宇宙センターで開催された記者会見にて公表しました.
●2009年1月23日13時23分05秒 衛星がロケットより分離され,統合制御装置(SCU)が起動しました. (オンボードクロック・スタート).
●2009年1月23日12時54分00秒 種子島宇宙センターより打上げられました.
東北大学理学総合棟屋上に設置された衛星追跡管制用アンテナ
Sバンド受信用2.4mパラボラとUHF送信用ツイン八木アンテナ
|
|
|